絵本の「読み聞かせ」を成功させるコツ(後編)

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絵本の「読み聞かせ」を成功させるコツ(後編)

書評:代田知子『読み聞かせわくわくハンドブック―家庭から学校まで』

『読み聞かせわくわくハンドブック』を読んでみた

前回の記事『絵本の「読み聞かせ」を成功させるコツ(前編)』に引き続き、今回も絵本の「読み聞かせ」について書きます。

前回は、大御所の児童文学研究者である松岡享子さんの本を教材にして、「読み聞かせの心得」について学びました。

さらに今回は、もう少しテクニカルな部分も学んでいこうと考えています。(気持ちだけでは、うまくいかないってことありますものね)


『読み聞かせわくわくハンドブック』とは?

今回の教材は、『読み聞かせわくわくハンドブック―家庭から学校まで』という本です。

1:『読み聞かせわくわくハンドブック』とは?

読み聞かせわくわくハンドブック―家庭から学校まで』は、図書館司書の代田知子(しろた ともこ)さんが書いた本です。

読み聞かせわくわくハンドブック―家庭から学校まで

第一刷(初版本)の発行は、2001年4月27日とあります。私が手にしているのは、第一版四刷(発行:2001年12月10日)です。

2:代田知子さんの略歴

以下、代田知子さんの略歴です。(奥付から引用)

  • 1956年、東京、練馬生まれの練馬育ち。
  • 埼玉県三芳町立図書館主任司書。
  • 子どもの本の研究者で作家の父と、小学校教諭の母の影響で、早くから本に親しむ。
  • 現在、子どもたちへの読み聞かせを中心としながら、司書向け研修などの講師としても活躍中。
  • 日本子どもの本研究会会員(絵本研究部)。

ちなみに、父親は 代田 昇さんのようです。おぉ! 『ぼくのへやにうみがある』を翻訳されたかただ。

3:対象とする読者は?

この本の特長は、絵本の「読み聞かせ」をするときの心得だけでなく、「読み聞かせ会」を運営する上での参考になる情報も、たっぷり掲載されているところです。

著者は、子どもにふれ合う機会が多く、読み聞かせ会を数多くこなしているためか、絵本に対する子どもたちの反応や、読み聞かせ会でのエピソードなどを盛りだくさんでご紹介してくれています。

ゆえに、「わたしも、読み聞かせ会をはじめてみたい!」と考えていらっしゃる人には、とくに読んでほしい本といえるかと思います。

4:目次

以下、『読み聞かせわくわくハンドブック―家庭から学校まで』の目次です。

  • はじめに
  • 読み聞かせってなあに?
  • 読み聞かせの会ってなあに?
  • 読み聞かせのミラクルパワー
  • 家庭での読み聞かせ Q&A
  • 第1章 いい絵本を選ぶには?
  • 第2章 絵本をじょうずに読むには?
  • 第3章 読み聞かせの会、本番までにこれだけは
  • 第4章 読み聞かせの会、いろいろな場で成功させよう
  • その他の出し物、いろいろ
  • こんな時にこんな本を(ジャンル別ブックリスト)

お悩み解決! 「読み聞かせ」クイズ

それでは、『読み聞かせわくわくハンドブック―家庭から学校まで』を参考にしてクイズを5つ出します。良かったら挑戦してみてください。

※:各選択肢の左側にある黒い箇所をクリックすると、回答(○か×)が分かります。

問題1:読み聞かせはいつまで続ければ良いの?

絵本や児童書の読み聞かせは、いつまで続けるのが子どもにとってより良いと思いますか? 次の中から選んでください。

×

【A】

3歳頃まで(幼児期まで)

×

【B】

6歳頃まで(小学校にあがるまで)

【C】

10歳頃まで(小学3、4年生まで)

【D】

子どもに読書力がつくまで

問題2:絵本に集中してくれないときはどうすればいいの?

絵本を読んで聞かせようとしても、なかなか子どもが絵本に集中してくれません。うーん、子どもがまだ小さいからしょうがないのかしら?

さて、このようなときあなたはどうすれば良いと思いますか? 次の中から選んでください。

×

【A】

絵本の表紙をカツカツと爪でならし、「Hey! Look! Look! Look!」と言う。

×

【B】

絵本で子どもの顔をはさみ、視線が絵本以外にいかないようにする。

【C】

絵本を読む前に、手遊びや童謡などで、楽しい雰囲気をつくる。

×

【D】

絵本はまだ早いのだろうと判断し、一切読み聞かせをしない。

問題3:同じ絵本ばかりせがまれるのはなぜなの?

「あれれ? またこの絵本なの?」なぜか同じ絵本ばかり何度も何度も繰り返し「これ読んで!」と、子どもにせがまれてしまいます。

いったいこれは子どもに何が起きているというのでしょうか? 次の中から選んでください。

【A】

知っていることに安心し、知っている喜びをくり返し確認している。

×

【B】

こわれかけている。思春期に少年から大人に変わっている。

×

【C】

読み手の力量を試している。「もっと練習してよ、へたっぴ!」と思っている。

×

【D】

同じ絵本という認識がない。ついさっきのことも忘れちゃっている。

問題4:子どもが話しかけてきたときはどうすればいいの?

あなたが絵本を読んでいると、子どもが絵本に反応して声を発することがあります。(例えば、「ぼく、アンパンマン好き~」とかですね)

さて、あなたはどのように対応すれば良いと思いますか? 次の中から選んでください。

×

【A】

無表情な鉄仮面をつくって、聞こえないふりをし、徹底的に無視する。

×

【B】

「黙って聞きなさい! もう読んであげないよ!」と注意する。

【C】

子どもの目を見て、微笑みながらうなずき返し、また読みはじめる。

×

【D】

絵本そっちのけで、子どもとのおしゃべりを存分に楽しむ。

問題5:きょうだいがいる場合はどうすればいいの?

あなたは、3歳と7歳の子どもに、読み聞かせをすることになりました。

でも、どちらの子もあまり集中できていないようです。あなたはどうすれば良いと思いますか? 次の中から選んでください。

×

【A】

子どもなんて何歳でも一緒。甘やかす必要なんてない。構わず読み続ける。

【B】

子どもにそれぞれ絵本を選ばせて、順番に読むようにする。

×

【C】

別室にひとりずつ呼び出して、個々に読み聞かせを行う。

×

【D】

とりあえず子どもは放っておいて、お友達と食事に出かける。


「読み聞かせ」クイズの解説

それではまことに僭越ではありますが、本を参考にしつつ解説を書かせていただきます。

解説1:読み聞かせはいつまで続ければ良いの?

答えは、【D】の「子どもに読書力がつくまで」です。子ども自身が読み聞かせを嫌がりだして、「ひとりで読みたい!」と言いはじめるのがひとつのサインとなります。

ごめんなさい。じつはこれ、引っかけ問題なんですよね。

児童教育について少しでも学んだことのある人であれば、知識が邪魔して【C】の「10歳頃まで(小学3、4年生まで)」を選んだかもしれません。しかしそれは、あくまでも基準となる年齢です。

たしかに一般的にはそう言われていますが、判断すべき基準は年齢ではなく、実際にひとりで読むことのできる力が本当に身についているか? なんですね。

解説2:絵本に集中してくれないときはどうすればいいの?

答えは、【C】の「絵本を読む前に、手遊びや童謡などで、楽しい雰囲気をつくる」です。

「絵本の読み聞かせ」というと、読んで聞かせなければいけないということばかり考えてしまいがちですが、そうではないんですね、絵本を読むだけじゃあない。

何か絵本の内容と関連したこと、例えばネズミが主人公の絵本を読む場合は、ネズミの人形を使って「こんにちは! ぼくのお話を聞いてくれるかな?」などと前説をやらせると良いとのことです。

日常の生活空間から、絵本の世界(異世界)へ旅立つための橋渡しをしてあげると、子どもは集中しやすくなるそうですよ。

解説3:同じ絵本ばかりせがまれるのはなぜなの?

答えは、【A】の「知っていることに安心し、知っている喜びをくり返し確認している」になります。消去法で考えればすぐに分かってしまったかもしれませんね。

この答えは、『読み聞かせわくわくハンドブック―家庭から学校まで』のP22からそのまま引用させていただきました。

自分が知っているものに出会うと安心し、知っている喜びをくり返し確認しています。

その子どもにとっての好きなものが、心に芽生えてきたということでもあるのでしょうね。それは、とても順調に育っているということなのだと思います。

また、絵本内での繰り返し表現については、前回ご紹介した『えほんのせかい こどものせかい』のP87~88に次のように書かれています。

同じ場面が再現されれば、子どもは、新しい事態を吸収するという負担から解放されて、その分だけ、ゆったり物語に対することができる。~(中略)~ 同じことがくりかえされるからこそ、また来たぞ、今度はどうかな? と考えることができる。
えほんのせかい こどものせかい

例えば、『桃太郎』のイヌ・サル・キジのように話が繰り返していると、大人は「いっぺんに出てきてほしいわあ」とか、「マンネリ! こんな話の展開、よー飽きんなあ」と思うかもしれません。

でも、子どもにとっては必要なことなんですね。子どもは自分の知っている取っかかりをもとにして、必死になって物語にしがみついているわけです。

「繰り返し」というものが、子どもにとってはとても大切なことなのだと分かれば、うんざりして思わずしかめっ面をしてしまうなんてこともなくなるのではないでしょうか。

解説4:子どもが話しかけてきたときはどうすればいいの?

答えは、【C】の「子どもの目を見て、微笑みながらうなずき返し、また読みはじめる」です。

子どもが話したことに対して「聞いているよ」という合図を、しっかり送ることが大事みたいです。それでも子どもが話し続けるようなら次のようにするよう書かれています。

それでも続けるようなら「そう、じゃ、あとで聞かせてね」と言って、本の続きを読んでください。

話を中断されてしまうと、戸惑ってあたふたしてしまうかもしれませんが、予め「きっと話しかけてくることもあるだろうな」と思っておけば余裕がもてます。

絵本の「読み聞かせ」というのは、コミニュケーションですので、どうぞ、無視しないであげてくださいね。

解説5:きょうだいがいる場合はどうすればいいの?

答えは、【B】の「子どもにそれぞれ絵本を選ばせて、順番に読むようにする」です。

えほん育児学のすすめ―知力と心をぐんぐんのばす絵本の活かし方』のP116には、次のように書かれています。

年齢差が二歳ぐらいですと、一冊の絵本でまにあいますが、四歳離れるとちょっと無理な感じがします。たとえば、一歳、三歳、五歳の三人の兄弟の場合、三歳と五歳の子どもは、同じ絵本を楽しむことができますが、一歳のあかちゃんには無理です。
えほん育児学のすすめ―知力と心をぐんぐんのばす絵本の活かし方

3歳以上の子どもならだいぶ柔軟に対応できるようにはなるようですが、4歳離れてしまうとどうやら無理が出てくるそうです。

どちらかだけに合わせるのでもなく、間をとって5歳向けの絵本にするということでもなく、ただ、それぞれ順番に読めば良いようです。

また、NHK Eテレ『すくすく子育て Q&A』の絵本の回(2011年7月9日放送)にて、玉川大学教育学部准教授の大豆生田啓友さんは、次のようにおっしゃっていました。

  • その日によって、どちらに合わせるか変えてみる。
  • 1冊ずつ決めさせる。

なるほど、日によって変えるというのもひとつの方法かもしれませんね。例えば、「昨日はお姉ちゃんが先だったから、今日は妹ちゃんを先にしましょうね」と言えば、順番でもめることもなくなるかもしれません。

育児には、これが絶対に正しいという方法はありませんから、臨機応変に対応できると良さそうです。


この本のおすすめ度

読み聞かせわくわくハンドブック―家庭から学校まで』のおすすめ度は、90点です。

『読み聞かせわくわくハンドブック―家庭から学校まで』のおすすめ度は90点

「読み聞かせ」って、絵本を読むことなのだと、もうそれだけなのだと、私は勝手に思い込んでいました。

しかし、そうじゃないんですね。指遊びや童謡なども含め、総合的にプロデュースするほうが良いのだということがこの本を読んでよく分かりました。とても勉強になったので、高得点にておすすめいたします。

いかがでしょう? そろそろ、イベントの多い季節になっていきますよね。クリスマス会、お正月など、人が集まることも多くなっていくと思います。

そんなときに、子どもたちを楽しませるためのワンコーナーとして「読み聞かせ」をやってみてはいかがでしょうか? いきなり「読み聞かせ会」を運営するのは難しそうですが、そのくらいならできそうです。

クリスマスなら、『急行「北極号」』とかね、いいと思いますねー。子どもたちの笑顔が浮かんでくるようです。

急行「北極号」

代田知子さんの主な著作物

以下、代田知子さんの主な著作物です。DVDでも出していらっしゃるんですね。

読み聞かせわくわくハンドブック―家庭から学校まで 絵本・読み聞かせ おうちで実践編 第1巻 たっぷり!読み聞かせの楽しみ方 [DVD] 絵本・読み聞かせ おうちで実践編 第2巻 ぴったり!絵本の選び方 [DVD]
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次回予告

最後まで読んでいただきありがとうございます。次回は、絵本の「読み聞かせ」についてのまとめのようなお話を書く予定です。


関連記事

スキルアップしたい人のための記事をご紹介します。

作成日:2011/11/24 更新日:2011/11/24

コメントありがとうございます。

お手数ですが、コメント前に留意事項をご覧くださいませ。

また、現在ご質問にお答えする余裕がない状態にあります。よろしくお願いいたします。

勉強になりました~

今回の記事もとても勉強になりました。2児の父として読み聞かせの仕方も丁寧に書いてあってとてもよかったです。
読み聞かせする時、鬼太郎の父のような声を出したり関取のような声をして注意をひき、なんとか飽きないように最後まで完読することに執着してました。。ゆっくり読み聞かせることが出来てなかったような気がします。。急に何ページも飛ばしたりする子供に『オチの前のフリが大事なんだ』と言い聞かせても分りませんよね。。落語も聞かせたいとか思ってるし。
『世の中って面白いかも』よりも『パパって面白いかも』に重きを置いてる自分に気付きました(・、・)

とざい とうざい。

bills nagaoさん、こんばんは!( ・∀・)ノ
コメントありがとうございます。

ご参考になりましたようで何よりです。ヾ(*´∀`*)ノわーい

これはもうまったくニーズがなかったのかと愕然としておりましたが、
お一人だけでも読んでいただけたことが分かってほんと良かったです。


おっしゃる通り、あまりオーバーな読み方でなくって
良いみたいですねー。

けっこう、声色を使ったり、いろいろと工夫して、
おもしろくしよう、おもしろくしようとする人は多いみたいです。

なんだかでも、拍子抜けですよねー。(´Д`;)
パパいいとこみしたろ思ってがんばっているのに。

あ、ただ、男性が読んだほうがはまる絵本とかはあるみたいですけど。
『三びきのやぎのがらがらどん』とか『ねないこだれだ』とか。

大豆生田啓友さんがおっしゃっていました。
工夫はそういった選書ということになるのでしょうか。


いいですねー、落語。
日本の重要な文化のひとつですものね。

先日、『じごくのそうべえ』を買ってきましたよ。
評判通り、おもしろかったです。(´▽`)♪

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