人物画のレシピ(顔の描き方)

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人物画のレシピ(顔の描き方)

書評:岩崎宏『はじめての人物イラストレッスン帳』

『はじめての人物イラストレッスン帳』を読んでみた

学校では美術の授業なんてものがございますけれども、いくら思い出そうとしても、私の中では「何かを学んだ」という記憶がありません。

人物を描くにしても、あるいは風景を描く場合においても、たいてい言われるのは「よく見て描きましょう」ということだけだったように思います。繰り返し、繰り返し、まるで呪文のように聞かされました。

おそらく、空間認識能力を高めさせたいのと、「正確に描写することよりも、想いや感情をのせて描写してほしい」という意図があったのかもしれません。いわゆる大人が一方的に求める「子どもらしい絵」を描かせたかったのではないでしょうか。

ただそれは本来、「より正確に描写する技術(スキル)が、下地としてあってこそできることだったのではないのかな?」と、いまは感じています。

さて、授業では学ぶ機会をえませんでしたが、それでは何か、うまく描くコツはないのか?というと、実はあるんですね。今回は、顔を正面から描く場合のコツをご紹介したいと思います。良かったらご覧ください。


『はじめての人物イラストレッスン帳』とは?

今回の教材は、『はじめての人物イラストレッスン帳』という本です。

1:『はじめての人物イラストレッスン帳』とは?

はじめての人物イラストレッスン帳』は、イラストレーターの岩崎宏(いわさき ひろし)さんが書いた本です。

はじめての人物イラストレッスン帳

岩崎宏さんは、イラストレーション、絵の描き方に関する著作物の出版、講師など幅広くご活躍していらっしゃいます。

2:対象とする読者は?

対象となるのは、いわゆるバストアップ(胸から上)のイラストをうまいこと描けるようになりたいと考えている人です。

また、書籍のタイトルに「はじめての~」とありますし、実際に平易で分かりやすい説明がされていますから、初心者向けの本と考えるのが良さそうです。

3:目次

以下、『はじめての人物イラストレッスン帳』の目次です。

第1章 おおらかに描く
  • ベースラインを描いてみよう
  • ベースラインの上に輪郭線を描く
  • 正中線を引いて顔を描く
第2章 細かく描く
  • 頭のボリュームを正確に描いてみよう
  • 影をつけて表情豊かに
  • 顔のパーツを細かく描き込む
  • 髪と体を描き加える
第3章 キャラクターを描く
  • キャラクターにしてみよう
  • キャラクターの表情
  • キャラクターのテイスト
第4章 イメージ通りの配色でまとめよう
  • 肌色の表現と配色を考えよう
  • 困ったときの色彩計画
  • 極端なイラストで表現しよう
  • 色で人物のイメージを表現しよう
  • 背景と人物の配色テクニック
第5章 ポーズや動きを描く
  • ポーズを決めてからイラストを描く
  • 肩の表情
  • カメラアングルと印象
  • 風景の中での人物の目立たせ方
  • 写真を使って描く

この第1章と、第2章だけでも、とても有益です。

第3章以降は、人によって絵・イラストの個性がありますから・・・どうでしょう、何ともいいがたいところです。参考になる人もいれば、参考にならない人もいらっしゃるかもしれません。


顔を正面から描く場合のコツ

それでは、『はじめての人物イラストレッスン帳』の第1章をもとに、アレンジを加えて少しだけご紹介いたします。きっと、この本の良いところが伝わるはずです。

【STEP0】:準備するもの

準備するものは、以下5つです。(材質にこだわる必要はありませんので適当にどうぞ)

  • 正面向きの顔写真(ファッション誌でも何でもOK)
  • 鉛筆(またはシャープペンシルなど)
  • 消しゴム
  • 定規

「定規なんていらないでしょ!」と思うかもしれませんが、必要になります。(今回の重要アイテムです)

【STEP1】:ベースラインを描く

今回は、ご近所にお住まいの東郷さんにモデルになっていただきました。それでは、さっそく描いていくことにしましょう。

まずはベースラインを描きます。基準となる補助線ですので、薄めに描いておいてください。

(1)おおまかな外側のベースラインを描く

ポイントとなる角の部分を意識しながら、外側をおおまかに描きます。(髪や肩などですね)

(1)おおまかな外側のベースラインを描く
(2)正中線を描く

顔の真ん中に縦線をひきます。(これが顔の中心位置と、傾きの目安になります)

(2)おおまかな正中線を描く
(3)あごの位置にアタリを入れる

あごの位置にアタリを入れておきます。

(3)あごの位置にアタリを入れる
(4)おおまかな内側のベースラインを描く

ポイントとなる角の部分を意識しながら、内側をおおまかに描きます。(前髪やあご、襟元などです)

(4)おおまかな内側のベースラインを描く

【STEP2】:輪郭線を描く

(5)輪郭線を描く

前工程【STEP1】で描いたベースラインを参考にしながら、輪郭線を描きます。(輪郭線は、ベースラインより少し濃く描きましょう)

輪郭線を描く

私はよくやってしまうんですけれども、「ベースラインの内側で描かなければいけない」という思い込みが強くなったりしませんか?はみ出さないように、はみ出さないように描いてしまう。

でも、そうじゃないんですよね。

それどころか、ベースラインが間違っていると思ったら、無視して描いて構わないとのことです。ベースラインは基準であって、必ずしも絶対的な線ではないのです。

【STEP3】:顔のパーツを描く

(6)鼻を描く

鼻の位置取りは、次の4つが目安になります。それぞれの割合が3分の1ずつになるので、定規で測って描いてみてください。

  • 髪の生え際
  • 眉間
  • 鼻の底部
  • あご先
鼻を描く

個人差や年齢によっても違うので、もちろん絶対ということではありません。

いわゆる「大人」の標準的な割合が3分の1ずつなので、それを基準に長くとるのか、あるいは短くとるのか、そのキャラクターによって決めることになるかと思います。

ちなみに、このモデルをやっていただきました東郷さんは、一般の人よりも額(ひたい)がせまく、鼻が長いようです。

(7)目を描く

目の位置は、次の3つが目安になります。それぞれの割合が2分の1ずつです。今回も定規で測って描いてみてください。

  • 頭のてっぺん(髪型のてっぺんではありません)
  • あご先
目を描く

目を描くときは、目頭や目尻のアタリを入れてから描くと良いかもしれません。左右対称に描きやすくなります。

(8)口を描く

口の位置取りは、次の3つが目安になります。それぞれの割合が2分の1ずつです。今回も定規で測って描いてみてください。

  • 鼻の底部
  • 下唇の底部
  • あご
口を描く
(9)耳を描く

耳は、眉と鼻の底部の間に描くとおさまりが良いそうです。輪郭線を描く段階で外郭は描いてしまったので、今回は内側だけ描きました。

耳を描く

【STEP4】:仕上げ

(10)仕上げる

最後に、ちょこちょこと仕上げます。東郷さん、お疲れさまでした。

仕上げ

いかがでしたか?全体、あるいは顔のパーツなどが、今までよりもバランスよく描けるようになったのではないでしょうか。

「目や鼻がうまく描けない!」という人は、本書の第2章に描きのコツ方が書かれていますので、書店などへ行ってご覧になってみてください。


この本のおすすめ度

はじめての人物イラストレッスン帳』のおすすめ度は、88点です。

『はじめての人物イラストレッスン帳』のおすすめ度は、88点

この本の良いところは、人物画を描く場合に役立つ明瞭な数値(割合)をしめし、より分かり良く説明してあるところです。

料理に例えるなら、今までは「目分量で味見をしながら作れば良いじゃない」という状態だったわけですが、この本はいわば分量が書かれたレシピを提供してくれました。

これによって、次のようなことが考えられると思います。

  • 初心者であっても、定規を片手に描けばそこそこうまく描けてしまう。
  • 少しうまく描けるようになってきた人は、描いたあとに定規でチェックしてみればよい。(ゲーム性を追加することもできるでしょう)

「定規を使って描く方法」は、空間認識能力を鍛えるための足がかりになるのではないでしょうか。「センス(才能)がないと絵はうまく描けない」などという非論理的な考えをくつがえす可能性を示唆しているように思います。

初心者の中には、メキメキ上達する人が出てくるかもしれませんね。

さて、この本は、もっと高評価されても良いように思いますが、イラストを描きたいと考える人の多くは、いわゆる「萌え絵」が描きたいのではないかしら。(あるいは写実的な絵?)

その辺のユーザニーズとのマッチングのずれを鑑みて、いくらかおすすめ度合いは減点いたしました。やはり残念ながら、第3章以降は参考にならないと感じる人はいらっしゃることでしょう。


岩崎宏さんの著作物

岩崎宏さんの書いた本は、今回ご紹介した『はじめての人物イラストレッスン帳』の他にもたくさんございます。

はじめての人物イラストレッスン帳

以下、その他の本です。

はじめての女性画レッスン帳 イメージ通りの女性を描く 大好きな動物を描こう (MdN books)
人物の描き方 魅力的に見せる表情とポーズ 女性の描き方 魅力的に見せるコツと表現方法

もしあなたが中級者以上であるならば

もしあなたが中級者以上の描き手であるならば、ご存知かとは思いますが、A.ルーミスの本をご覧になってみるほうが良いかもしれません。

やさしい人物画 やさしい顔と手の描き方

今回ご紹介した『はじめての人物イラストレッスン帳』よりもこと細かに書かれています。

ただ、だからと言って平易に解説されているわけでもありませんので、初心者には厳しいかもしれません。もしご購入を検討するのであれば、書店で手にとって確認してからの方がよろしいかと思います。


補足

1:いわゆる「萌え絵」を描きたいという人の場合

いわゆる「萌え絵」を描きたいという人におかれましては、今回ご紹介した数値(割合)は、役に立たないものと思います。(まずもって目が顔の大半を占めますものね)

そのような場合はお手間さまではありますが、プロの描いたイラストを、ご自分で測ってみるとよろしいかと思います。

雑誌でも、漫画でもなんでも良いと思いますが、定規で実際に測ってみて「きゃふきゃふ」ってしたらいいんだと思います。

2:顔が斜めに傾いた場合

正面・真横ならいいんですけれども、身体が斜めに傾いた人物については、パースがかかってくるので、これもまた今回ご紹介した数値(割合)とは、話が違ってくるものと思います。

そのような場合は・・・どうすれば良いのでしょうね?描き慣れていくしかないのかなあ。明瞭な数値化は難しそうです。

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次回予告

次回もおそらく書評となる予定です。


関連記事

スキルアップしたい人のための記事をご紹介します。

作成日:2011/07/19 更新日:2011/07/19

コメントありがとうございます。

お手数ですが、コメント前に留意事項をご覧くださいませ。

また、現在ご質問にお答えする余裕がない状態にあります。よろしくお願いいたします。

油断できない町内

徐々に出来上がっていくお顔が怖い。
そして、KumaCrowさんの腕前は
ちょこちょこ真似して描いてみた、というレベルではないような・・・。

定規で測って描く→とても新鮮!と思ったけど
女性はそういえば眉を描いたりほほ紅を入れたりするときに
どこから三分の一だの全体の二分の一より上だのやってましたわ。
すべての女性が使ってるわけじゃないけど
眉を描くための専門の定規もあります。

と思うと、なるほど人の顔を描くのに定規で測って描くというのは理にかなっているのかも。


しかし、町内に東郷氏がいたらうっかり後ろを歩けなくて難儀しそうですね。

・・・

Missdiamondさん、こんばんは!( ・∀・)ノ
コメントありがとうございます。


ちょっといつもよりがんばって描きました。(´Д`;)

「この本読んでもうまくならねんじゃね?」とか思われたら
著者さまにご迷惑がかかってしまいますものね。

パソコンの画面にも定規をあてて描きましたから、
そんなには間違っていないはずです。


へー、眉は何かやっとるような気はしていましたが、
ほほ紅の位置まで計算されていたんですね。(;´Д`)すごい

眉型のテンプレートのようなものは、
どこかで見たことがあるような気がいたします。

女性は大変よね。そういうことが好きな人はいいでしょうけれども。
私だったら面倒な感じがしてあかんわあ。


東郷さんの後ろを歩くと何か危険なのかしら。(´ー`)ふふふっ

いかつい顔をしていますが、そんな悪い人ではありませんよ。
わりと親しみやすい気さくないい方です。

そういえば最近、くぁwせdrftgyふじこlp



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