「その結果には、原因があるのじゃよ」と彼は言った

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「その結果には、原因があるのじゃよ」と彼は言った

ジェームズ・アレンの『「原因」と「結果」の法則』:「その結果には、原因があるのじゃよ」と彼は言った

ロングセラー本『「原因」と「結果」の法則』を読んでみた

生きていると「何でやねん!」と思うことってありますよね。

仕事にしろ、恋愛にしろ、あるいはこういったブログなどをやっている場合でも、例えば次のようなことを感じることってあるのではないかしら。

  • 「あいつはなぜ、あんなアホ上司とうまくやっていけるのだろう?あいつばかり評価されてやがる!」
  • 「あたしの方が絶対にかわいいのに、なぜ彼氏ができないのよ!」
  • 「あんなつまらないことしか書いていないのに、なぜ私のブログよりアクセスが多いんだ?世の中まちがっている!」

不思議ですよね。そしてその原因が分からないと、それらの行き場を失った感情は、嫉妬やストレス、あるいは誹謗中傷に変貌することさえあるかもしれません。

さて、おそらく具体的な解決方法は得られないかもしれませんが、何かしらヒントくらいはご紹介できるかもしれません。興味のある方は良かったらご覧になってみてください。


『「原因」と「結果」の法則』とは?

今回の教材は、『「原因」と「結果」の法則』という本です。

1:『「原因」と「結果」の法則』とは?

「原因」と「結果」の法則』は、1902年、英国の謎の哲学者ジェームズ・アレンさんが書いた本です。(原題は『AS A MAN THINKETH』)

「原因」と「結果」の法則

ジェームズ・アレンさんは、経営コンサルタントなどのさまざまな仕事を経験するかたわら独学でまなび、38歳から作家へ転向。その後亡くなるまで執筆活動を続けた・・・ちょっと何かいろいろと変わった人みたいです。

日本で出版されている『「原因」と「結果」の法則』の第1刷発行は、2003年4月25日。私が購入した本には第21刷(2003年10月30日)とあります。帯には、次のようなうたい文句が記載されています。

  • ナポレオン・ヒル、デール・カーネギー、オグ・マンディーノなど現代成功哲学の祖たちがもっとも影響を受けた伝説のバイブル
  • 聖書に次いで一世紀以上ものあいだ多くの人々に読まれ続けている驚異的な超ロング・ベストセラー

以前、『考えるヒント 生きるヒント―人生成功への50の黄金律』として出版していた本を翻訳し直して出版したようです。

2:対象とする読者は?

ジェームズ・アレンさん曰く、『「原因」と「結果」の法則』を書いた目的は以下ようとのことです。(P10より引用)

私がこの本を通じて行っていることは説明というよりも提案であり、その目的は、できるだけ多くの人たちが、みずからの手で、「自分こそが自分の人生の創り手である」という真実に気づくのをうながすことにあります。

ゆえに、対象とする読者は、次のような人たちになるものと思います。

  • 今までの人生で自信を失ってしまい悩んでいる人
  • 考えをリセットして基本に立ち返りたい人
  • 周りの人たちに翻弄されてばかりで、なかなか成功に結びつかない人

この本を読むと、自分の人生を、自分の手に取り戻すためにどのような考え方をする必要があるのか?が分かるかもしれません。

3:『「原因」と「結果」の法則』の目次

以下、『「原因」と「結果」の法則』の目次です。

  • 訳者まえがき
  • はじめに
  • 思いと人格
  • 思いと環境
  • 思いと健康
  • 思いと目標
  • 思いと成功
  • ビジョン
  • 穏やかな心
  • 訳者あとがき

「訳者あとがき」も含めて95ページしかありませんから、読むだけであればこの本は、あっという間に読むことができます。

ただ、一語々々を読みくだいて考えてみないと分からないかもしれませんから、本当に理解するためには時間を必要とするかもしれませんし、何度も繰り返し読むことになるかもしれません。

※:じつは、詩的・文学的表現が多いので、かなり分かりにくいです。

さて、目次をご覧いただいても分かるように、鍵となるのは【思い】のようです。これはいったいどういうお話なのか?少しだけ、本の内容をご紹介していくことにいたしましょう。


原因と結果の法則(引き寄せの法則)

1:【結果】には、必ず【原因】がともなう

世の中、どのようなことであれ、【結果】には、必ず何かしらの【原因】が存在しますよね。

例えば、何も存在しない空間から「ポンッ!」と、あなたの目の前に「鳩」が登場したなら、それこそ魔法です。そんな非科学的・非論理的な話はない。

必ずこの【原因】というものがあるから、【結果】は生み出されているわけです。これは誰に言われるまでもなく、すごく当たり前のお話。

「原因」→「結果」:原因が結果を生み出している

例えば、上司を不愉快にさせるようなことをあなたが言ったなら、たいていその人は怒りますよね。何かしら理由がなければ、上司だって怒ることはありません。

  • 【原因】:上司をバカにした。
  • 【結果】:ゆえにその上司は怒った。

えぇまぁたしかに、必ずしもあなただけが【原因】ではない場合も、もちろんあることでしょう。他にかかえている仕事の案件がうまくいかず、【原因】が累積してしまって怒りやすくなっている場合も考えられます。

ただここで申し上げたいのは、その累積したものであれ何であれ、その人が怒るには怒るなりの【原因】があるということです。理由はどうあれ、【結果】には、必ず【原因】がともなうんですね。

2:【環境・運命】は、【思い・人格】によって決まる

つぎに、私たちが生活していくなかでの【原因】とは何か?【結果】とは何か?を考えてみましょう。

ジェームズ・アレンさんは、次のようにおっしゃっています。(以下、『「原因」と「結果」の法則』のP16から引用)

人間は思いの主人であり、人格の制作者であり、環境と運命の設計者である

これはちょっと分かり難いと思うので図解してみましょう。

つまり次の図のように、人間の【思い(考え)】が【人格】を形成し、その行いによって【環境】や【運命】に反映されているのだと考えていただくとよろしいかと思います。

【思い・人格】(原因)→【環境・運命】(結果)

おそらく、まだ分かり難いと思うのでもう一つご紹介いたします。アレンさんは、次のようにも書いていらっしゃいます。(以下、『「原因」と「結果」の法則』のP1から引用)

私たちは心の中で考えたとおりの人間になります。私たちを取りまく環境は、真の私たち自身を映し出す鏡にほかなりません。

つまり、【環境・運命】(結果)は、【思い・人格】(原因)によって決定されているのだということです。例をあげてみましょう。

  • Aさんは、人を楽しませることが大好きです。(他者への好意的な【思い】)
  • 「どうやって笑わせたろかしら」、いつもそんなことばかり考えています。(ユニークな【人格】が形成される)
  • 今日も、Aさんは、Bさんを笑わせました。(会心のできでした。自分を誇らしくさえ感じられる【人格】になっていきます)
  • Bさんは、まだ笑い転げています。Aさんから離れがたくなりました。(【環境】への影響1)
  • Bさんだけでなく、それを見ていた他の人たちもAさんに好意的な印象をもつようになりました。(【環境】への影響2)
  • そしてさらに、話を聞きつけたまったく面識のない人たちまでもが、Aさんの周りに集まるようになりました。(【環境】への影響3)
  • Aさんの人生は、毎日がおもしろおかしいものとなり、多くの人に愛されるようになりました。仕事も恋愛も何もかも楽しい日々を送っています。(【運命】への影響)

おおよそ、こういった流れになります。「そんなにうまいこといくかい!」と感じられるかもしれませんが、何にせよひとつの理想的な形と言えます。

ここまでの極端なお話ではないにしても、いつも難しい顔をしてつまらなそうにしている人よりは、笑顔で楽しそうにしている人の方が好感がもてるというのは、人間の自然な感情ではないでしょうか。

3:【思い】が濁れば、【環境・運命】は汚れていく

それでは逆に、もしその【思い】が悪い状態であったならどうなってしまうのでしょうか?

アレンさんは、次のように書いていらっしゃいます。(以下、『「原因」と「結果」の法則』のP21から引用)

もしあなたが自分の庭に、美しい草花の種を蒔かなかったなら、そこにはやがて雑草の種が無数に舞い落ち、雑草のみが生い茂ることになります。

これはつまり、【思い】が濁(にご)れば、【人格】が澱(よど)んでしまい、さらに【環境・運命】までもが悪い状況に落ち込んでいってしまうということです。

荒んだ【思い・人格】(原因)→荒んだ【環境・運命】(結果)

例をあげてみましょう。

  • Aさんは、現在の自分に自信がありません。そもそも能力は高いのですが、必要以上に他者と比べてしまうため、自分の良い部分までも軽視して自己を見失っている状態です。(不安な【思い】)
  • そして、自信を取り戻すためには、誰かをこき下ろす方法しか思い当たらなくなっていました。それ以外に自分を優位に立たせる術がなかったのです。(人をバカにするような【人格】が形成される)
  • Aさんは、Bさんをバカにしました。一時的には、自己満足的な偽物の自信は得られたものの、【人格】にさらなる歪みがうまれてしまいました。
  • Bさんは怒っただけでなく、Aさんから離れていってしまいました。(【環境】への影響1)
  • Bさんだけでなく、それを見ていた他の人たちもAさんから離れていきました。(【環境】への影響2)
  • そして、他者をバカにすることを好む愚かしい人たちばかりが、Aさんの周りに集まるようになりました。(【環境】への影響3)
  • Aさんの人生は、毎日ギスギスした陰湿なものとなりました。意味もなく自分から敵を作ってしまっていたのです。仕事も恋愛も何もかも歪んでいきました。(【運命】への影響)

さらに、「なぜ、自分の周りにはこんなつまらない人間しか寄ってこないんだろう?」と思ったりもするかもしれません。自分では、なかなか【原因】には気がつかないものです。

もっと悪い場合には、【環境】を呪い・怨みだすことさえあるかもしれません。「私はなんて不幸なんだろう」と。そうなると、どんどん悪い方へ、悪い方へ落ちていってしまいます。

4:【思い】を変えることで、【環境】や【運命】も変わる

それでは、どうすれば良いのでしょうか?

【環境】や【運命】を、より良いものにしたいときや、幸せになりたいと思ったときには、いったい私たちに何ができるのでしょうか?

ジェームズ・アレンさんは、次のようにおっしゃっています。(以下、『「原因」と「結果」の法則』のP28から引用)

「原因」こそがまず改善されなくてはならないのです。人々の多くは、環境を改善することには、とても意欲的ですが、自分自身を改善することには、ひどく消極的です。かれらがいつになっても環境を改善できないでいる理由が、ここにあります。

つまり、まず原因となっている【思い・人格】を変えなければ、結果である【環境】も【運命】も変わることがないということです。

あなたが【環境】や【運命】を好転させたい、幸せを得たいと思うのであれば、【思い】をより良い状態にしていく必要があるというわけです。

荒んだ【思い・人格】(原因)→荒んだ【環境・運命】(結果)

じつはこういったことは昔から言われているお話です。例えば、古代ギリシアの哲学者ソクラテスも次のような言葉を残したと言われています。

世界を動かそうと思ったら、まず自分自身を動かせ。

もう一つあります。これは、おおもとの出典は定かではありませんが、野村克也さん(『野村ノート』)や、松井秀喜さんを育てた星陵高校野球部の山下監督が引用している言葉としても有名です。(※1

心が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
運命が変われば、人生が変わる。

※1:おおもとは、アメリカの心理学者ウイリアム・ジェームスさんの言葉とも、ヒンズー教のおしえとも言われているようです。(ごめんなさい、特定不明です)

5:【思い】を変えるときのコツ

とりあえず、【思い・人格】を変えることで、【環境】も【運命】も変わるのだということは分かったとしましょう。

それでは、【思い・人格】というのは、どのようにすればうまいこと変えていけるものでしょうか?そんなに簡単に変わるものでしょうか?

ジェームズ・アレンさんは、次のようにおっしゃっています。(以下、『「原因」と「結果」の法則』のP37から引用)

この真実を立証することは、誰にでもできます。これは、自分の心と環境の動きを謙虚に根気強く観察し、分析することによって、誰もが容易に認識できることなのです。

これはつまり、次のようなことかと思います。この工程を繰り返し行えば、うまく【思い・人格】を変えていくことができるとおっしゃっているようです。

  • 現在の【思い・人格】が、どのような状態にあるかを認識する。
  • その【思い・人格】が、現在の【環境】に対してどのように作用しているかを観察する。
  • それによって、どのような【結果】が出ているかを分析する。
  • 分析によって今後どのようにすれば良いかを見直す。

これ、すぐにピンときた方もいらっしゃると思いますが、いわゆる「PDCAサイクル」と呼ばれているものに似ていますよね。とてもシンプルな良い方法だと思います。

  • Plan(計画)
  • Do(実行)
  • Check(評価)
  • Action(見直し)

初回は実質「計画」が立たないかもしれませんから、現状認識だけで終わってしまう場合もあるように思います。あまり気にせず、2回目から「計画」を立てれば大丈夫です。

「計画」にばかりエネルギーを使いすぎて、「実行(行動)」しないほうがよほど問題があります。失敗しても大丈夫、失敗は次への糧(かて)です。

Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(見直し)

また、おそらく「自分を変える」ということに、抵抗を感じる人もいらっしゃるのではないでしょうか。「今の自分が好き」、「ありのままの私を見てほしい」とかね。

そんなときは、このように考えてみてはいかがでしょうか。変えるのは「今の自分」ではなく、「未来の自分」なのです。

現在のあなたが悪いというわけではない。しかし、より良くなるためには、変えるというよりも、新しい要素を追加してあげる必要があるわけです。いわばそれは、「未来の自分」へのプレゼントです。

6:【思い】が、より良い【環境】や【運命】を引き寄せる

そしてさらに、ジェームズ・アレンさんは、次のように書いていらっしゃいます。(以下、『「原因」と「結果」の法則』のP26-27から引用)

私たちは、自分が望んでいるものではなく、自分と同種のものを引き寄せます。~中略~そして魂は、この世界における学習体験をひとつひとつ積み重ねながら、その時点における自身の気高さ(あるいは卑しさ)と強さ(あるいは弱さ)の如実な投影である環境を、次々と自身のもとに引き寄せます。

これすなわち、「引き寄せの法則」と呼ばれるものです。PDCAがうまくいけば、あなたの【思い】は気高く、且つ強いものとなり、より良い【環境・運命】は向こうから引き寄せられてやってくると言うのですね。

引き寄せの法則

しかしどうでしょうねこれ、私は残念ながらそういったスピリチュアルな経験がないので、半信半疑な感じがしています。前述の「5」までは分かるんですが、ちょっとここまでくると話がオーバーじゃないかなとも思います。

どちらかと言うと、より良い【思い(考え方)】になって行動し、積極的に機会や場所をえることで、より良い【環境・運命】にであう確率が増えているということではないでしょうか。

「そういう好転していく状況が自分でも信じがたく、まるで自分が引き寄せたかのような錯覚をおぼえる」ということなのではないかと思います。

あるいは、自分に自信をもって行動している人というのは、善人にしろ悪人にしろ他者からは魅力的にうつることがあります。はたから見ればインチキくさい人であっても、吸い寄せられるように近づいていく人たちっていますものね。

7:『「原因」と「結果」の法則』という本

さて、いかがでしたでしょうか。『「原因」と「結果」の法則』のさわりの部分だけでしたが、おもしろかったですかね。

今回ご紹介した内容は、だいたい目次の「思いと環境」あたりまでのお話になります。この後は、どうすれば成功へ結びつけることができるのか?というような話が続きます。

ただまあ、必ずしも参考になるかは分かりませんけどね。

「父親が、社会へ出る前に息子・娘へ読ませたい本」、「就職前に、父から薦められた」というような紹介がされていたので、ちょいと興味をもったものだから読んでみました。

同じように興味がわいた人は、最寄りの大きめの本屋さんか、ブックオフあたりに行ってみればおそらく見つかると思うのでご覧になってみてはいかがでしょうか。


『「原因」と「結果」の法則』についての補足

私だけかもしれませんが、誤解・誤読しやすいと感じられたところについても書いておこうと思います。

1:すべての【原因】は自分にある?

例えば、次の箇所です。(以下、『「原因」と「結果」の法則』のP25-26から引用)

人々が刑務所に入ったり貧困に苦しんだりするのは、過酷な運命や環境のせいではけっしてありません。かれらがそうなるのは、ひとえに、かれら自身の不純な思いと利己的な願望のせいなのです。~中略~環境は人間を創りません。

あるいは、次の箇所もそうです。(以下、『「原因」と「結果」の法則』のP61から引用)

私たちのもつ強さも、弱さも、清らかさも、けがれも、ほかの誰のものでもなく、私たち自身のものです。それらは、ほかの誰によってでもなく、私たち自身によってのみ育まれます。

このような書き方では、【環境】は、「私(自分)」に対して何ら影響をもたらさないというように読み取れてしまうのではないでしょうか?

そして、「私(自分)」の側にだけ常にすべての【原因】があり、【環境・他者】にはまったく【原因】がないとも感じられてしまいます。

しかし、人格形成において、【環境(外的要因)】がまったく影響しないということは、私はありえないと思っています。【環境】もまた人間を創る要素のひとつです。

ただ、アレンさんは次のようにも書いていらっしゃいます。(以下、『「原因」と「結果」の法則』のP22から引用)

人格は環境を通じて、それ自身を表現しています。よって、私たちの環境は、私たちの内側の状態とつねに調和しています。

「調和」という言葉を用いるのであれば、【環境(外的要因)】から「私(自分)」への影響もあるようにも解釈できます。よく分かりませんね。彼の真意はどちらにあるのでしょうか。

誤解・誤読、あるいは言葉の定義についての認識のズレなのかもしれませんが、少し私なりの考えを書いておきます。

2:現在の「私」とは?

現在の「私」というのは、過去の「私」と、過去の「外的要因(環境)」の総和であろうと思います。

また、過去にさかのぼるほど「私(内的要因)」の影響力の方が弱いはずです。(低年齢化するほど物事の選択権がありませんから)

現在の「私」というのは、過去の「私」と、過去の「外的要因(環境)」の総和

例えば、次のような場合には、人格を形成する上で、【環境(外的要因)】の側に、より大きな【原因】が見受けられます。

  • 独裁者によって、社会的な自由を奪われる。
  • 遺伝子の異常により、病気を発症する。
  • 災害によって、築きあげてきた資産を失う。
  • 戦争ばかりしている国に生まれたため、兵士として育てられる。
  • 親が、虐待を繰り返している。

どのような状況であれ、「一方的に自分だけに【原因】がある」などという話であるならば、それはおかしいと思います。

「環境に原因がなく、自分がすべて悪い(原因がある)」というような考え方は、潔い美徳をともない、ある種の偏ったカタルシス(自虐的な満足)は得られるのかもしれませんが、けっして論理的ではない。

これは、他者(外的要因)のせいにしようと言うことではないのです。【原因】は【原因】として、明確にする方が良いと言いたいのです。

3:【原因】と【責任】

また、次の箇所もいかがなものでしょう。(以下、『「原因」と「結果」の法則』のP46から引用)

人間は、けがれた思いをめぐらしつづけているかぎり、けがれた血液を手にしつづけることになります。きれいな心からは、きれいな人生ときれいない肉体が創られ、けがれた心からは、けがれた人生とけがれた肉体が創られます。~中略~つねに清らかな思いをめぐらせるようになったとき、人間はもはや、病原菌を気づかう必要さえなくなります。

これではまるで、病気になったら、【思い(心)】が汚(けが)れていたことが【原因】のように読み取れます。

それでは例えば、遺伝子の異常により、子どもが心臓に障害(【結果】)をもって産まれてきた場合について考えてみます。

この場合、子どもに【原因】があるのでしょうか?そうではありませんよね。この場合の【原因】は親にあります。子どもの【思い(心)】が汚れていたことが【原因】ではありません。

冷静になってよく聞いていただきたいのですが、ただし、だからと言って、それで親を責めたてようなどとは誰も思わないでしょう。私も思いません。

その障害をもつ子どもにしても、【原因】があるからといって親を恨んだりすることはないと思います。なぜなら、遺伝子の異常は必ずしも親に【責任】があるわけではないからです。

世の中には、個人の力だけではどうにもならない領域があります。【原因】と【責任】を、ごちゃ混ぜにして考えるべきではありません。

4:傷つけあう必要なんてないじゃない

ここで仮に、親が「自分に【原因】はない!」などと言ってしまったならどうなるでしょうか?

子どもに【原因】まで負担させようとするのは、あまりにも酷(むご)い話です。子どもは「生まれてきてごめんなさい」としか言えなくなります。

親も、子どもも、責めを負う必要なんてないのです。

また、子どもの側にしてみれば、誰も責めてなんかいないのに【責任】を感じて落ち込んでしまっている親の姿が見たいわけではありません。

今後、一人で生きていくためにできるだけサポートしてほしいと考えているはずです。もし恨むような態度に見えたなら、それは少しだけサポートが足りていないのかもしれません。

どのような状況であれ、真摯にその境遇と向き合い、甘んじることなく、親も子どもも、最善の選択肢をえらぶことに注力するだけで良いのではないでしょうか。もちろん親だけでなく、社会的なサポートがえられる状況が理想です。

【原因】は【原因】として、一端おさめる。そして、お互いに傷つけあうことなく暮らせることが何よりだと思います。【原因】があるからといって、必ずしも【責任】が問われるわけではありません。

以上、この本を読んでいて、私が気になったところでした。


この本のおすすめ度

「原因」と「結果」の法則』のおすすめ度は、56点です。

『「原因」と「結果」の法則』のおすすめ度は、56点

この本の良いところは、他者を責めたり、環境のせいにしても何も解決しないということを明確にしめしているところです。それはその通りだと思います。

ただ、だからと言って、他者や環境にはまったく【原因】がないような誤解をまねく書き方がされているのは好ましくありません。そうであるなら、考え方が一面的に過ぎると思います。

詩的・文学的な表現によって、より誤解をうみやすい書き方になっているのもどうかと思います。はっきり言って分かりにくいです。

この本を愛している人や出版社の方々には申し訳ないのですが、もろもろ差し引いた【結果】、私は、おすすめしたい本とまでは思うことができませんでした。ごめんなさい。


『「原因」と「結果」の法則』を購入する時の留意点

1:『「原因」と「結果」の法則』の本

私が読んだのは、坂本貢一さんが翻訳した『「原因」と「結果」の法則』です。おそらくすでに読んだという人は、この本を購入した人が多いのではないでしょうか。(原題は『AS A MAN THINKETH』)

「原因」と「結果」の法則

また、樋口謙一郎さんが翻訳した『ジェームズ・アレンの成功と勇気の「泉」』という本もあります。原本は一緒ですがより読みやすいらしいです。

それから、読みやすいと言えば漫画で書かれた『コミック版 「原因」と「結果」の法則』という本もあります。

ジェームズ・アレンの成功と勇気の「泉」 コミック版 「原因」と「結果」の法則

さらに、続編もございます。

「原因」と「結果」の法則2 「原因」と「結果」の法則〈3〉困難を超えて 「原因」と「結果」の法則〈4〉輝かしい人生へ

2:「引き寄せの法則」の本

それから、「引き寄せの法則」に興味がある人は、他の著者さんの本にあたってみると良いかもしれません。

ザ・シークレット 引き寄せの法則 富を「引き寄せる」科学的法則 (角川文庫 ワ 5-1)

だいぶスピリチュアルな傾向が高いので、そういった嗜好にチャンネルがあった人向けの本です。

論拠、論理性、具体的な方法論などを求めている人には、おそらくまったく役に立たないと思いますが、心に余裕があればいろいろな意味で楽しめるかもしれません。(とくにお薦めはしません)

3:おすすめの自己啓発本

ある程度の論理的具体性を求めるのであれば、デール・カーネギーさんや、ナポレオン・ヒルさんの本の方が有益です。

人を動かす 新装版 道は開ける 新装版 思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき

ついでに書いておくと、『「原因」と「結果」の法則』の帯に「ナポレオン・ヒル、デール・カーネギー、オグ・マンディーノなど現代成功哲学の祖たちがもっとも影響を受けた伝説のバイブル」とありますが、これらの本を読んだことのある人であれば首をかしげるかもしれません。

デール・カーネギーさんは、セミナーなどで教え子さんたちとのやり取りの中から方法論を整理・確立した人だし、ナポレオン・ヒルさんが最も強く影響を受けたのは鉄鋼王アンドリュー・カーネギーさんでしょう。

どのくらい影響を受けたかどうかは昔のことなので分かりませんが、ジェームズ・アレンさんがそれほどまでに二人にとって大きな存在だったとは考え難いように思います。

それから、さらにもっと実践的に役立つ本を求めていらっしゃるのなら、ハイブリッドな『7つの習慣―成功には原則があった!』がお薦めです。

7つの習慣―成功には原則があった!

お小遣いの範囲を大きく逸脱するような自己投資は好ましくありません。バカ高いセミナーなどには、十分ご注意ください。

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次回予告

次回は、アイデアの種などをひとつご紹介しようかと思います。(ご紹介する予定でしたが、『「心を整える」ための56の習慣』を書きました)


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スキルアップしたい人のための記事をご紹介します。

作成日:2011/04/26 更新日:2011/04/28

コメントありがとうございます。

お手数ですが、コメント前に留意事項をご覧くださいませ。

また、現在ご質問にお答えする余裕がない状態にあります。よろしくお願いいたします。

仏教が・・・

KumaCrowさん、こんにちは。


私、詳しく知ってるということではないので
このコメ欄を読んだお詳しい方から突っ込まれるとぐうの音も出ないんですが、
原因結果って仏教の考えにもある・・・はず。
いや、ある。
宇宙の法則として原因結果という仕組み?があるとかなんとか・・・。
今回のブログの記事の本は宗教はまったく関係なさそうですし
仏教思想のなさそうな国の人が
原因と結果を結びつけるってすごく意外で驚きました。

でも、ホントそうですよ。
因果はめぐる風車。何もなくて今があるわけがないのです。



翻訳ものの本は訳者の日本語力によるところも大きいですね。
私、翻訳の本ってほとんど読めません。疲れちゃってダメです。

難解本

「原因」と「結果」の法則の書評ですか~。

こりゃ何とも難しいところですね(^_^;)

私はこの本、電子書籍としてiPhoneの中に忍ばせています(笑)

KumaCrowさんが??と思ったところは、実は私も感じたのですが、

「自責」と「他責」の心、どちらかを選ぶとしたら、他人のせいに
するのではなく、自分のせいにした方がいいよ~、自分の心の持ちよう
なんだよ~、という戒めの意味合いなのかなと、そのくらいの心づもりで
スルーしておりました。

引き寄せの法則については、私も訝しく感じておりまして、、
これまで「成功」したとされる人は、そういう考え方を持っていた
確率が高いというものでしかないのではと考えています。

失敗した人の話しというものは、そもそも表に出てこないでしょうし、
そんな話しが伝聞されるとも思えませんので…。

信じるものは救われる、ではないですが、本当にスピリチュアルというか
missdiamondさんもコメントで書いているように、仏教的、宗教的な面も
多く含まれる内容だと思います。

論理を科学としたら、宗教は対を成すものですので、受け入れにくいの
かもとも思います…。

20:80の法則ではないですが、この本は典型的な20を得る本
ではないかと…。良いことも書いてますからね。

私は、「チーズはどこへ消えた?」とか読んでも何も得るものを
感じられなかったのですが、人によっては「ものすごく示唆を得た」
という人もいるので、人は皆それぞれ違うのでしょうね。

私は子どもに読ませるとしたら、7つの習慣ティーンズが
良いのではないかと思っています。

ちなみに紹介されていた「引き寄せの法則」の紹介本、私は3冊とも
持っていますが、いまいち手が伸びません(苦笑)

因果応報

Missdiamondさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、あると思います。

因果と聞いて、思い出しましたが、
「因果応報」もそうですよねきっと。仏教系。


ジェームズ・アレンさんはどうやらキリスト教みたいです。
本の中でも引用がありました。

どこだったかな、見つからないや。たしか、

「求めよ、さらば与えられん。
 尋ねよ、さらば見出さん。
 門を叩け、さらば開かれん」

・・・とか、書いてあったはずです。

他にもいろいろ勉強していらっしゃったみたいだから、
キリスト教によらず東洋思想などもかじっていたんだと思います。


翻訳ものはそうですよねー。
翻訳者の力量でガラリと変わってしまいますものね。

私はあまり気にしない方かもしれません。
あー、読みにくかったら読まないから気にならないのかも。

(〃▽〃)てぃひっ

かわいいあの娘を引き寄せたい

fuminchuさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

そうですねー記事にするのは微妙でしたぁ。
思いのほか大変でしたよ。

良いところもあると思うんですが、
引っかかるところが見つかると素直には読めなくなるんですよね。

最初に読んだときは、破り捨てたろかと思いました。

でも、評判が良いということなので、我慢して繰り返し読みました。
私の勘違いなのかしらと。いやさ、これはしんどかった。


スピリチュアルにしろ、宗教にしろ、
それで救われる人もいらっしゃるのだから、

そこは、とくに興味をもっていない
私なんぞが口をはさむことではありませんよね。

それは人それぞれお好きなように
していただいたら良いことですもの。


あー、私もダメでした。

『チーズはどこへ消えた?』を読んだとき、
んもう、破り捨てたろかしらと思いましたよ。

世の中には、いろいろな考え方の人がいらっしゃるものですね。
それを知っただけでも良かったのかも。


『7つの習慣ティーンズ』ですかぁ。
レベル的に、私に丁度良いかもー。


『引き寄せの法則』の本ってでも、売れているみたいなんですよね。
私は、その理由が知りたくて読みましたよ。

欧米人向けの仏教書

自分はこの「原因と結果の法則」はまだ読んでいませんが、考え方が「仏教」の「縁起」の考え方と同じではないかとは、思っていたので、コメント欄を読んで、「仏教と似ている」という指摘があって、「同じことを考える人がいるんだ」と思ったものです。

仏教の場合には、「原因と結果」の間に「縁」が加わって物事が、展開していく。こういう考え方ですが。

で、最近、「7つの習慣」と「人を動かす、道は開ける」のコミック版を読みました。

7つの習慣を読んでの感想を書くと、「これは欧米人向けの「仏教書」だ」というものです。

具体的に言うと、「パラダイムシフト」は道元のいうところの「心身脱落」になり、「シナジー」は「中道」になるでしょう。

しかし、日本人の場合にはコミック版の「正法眼蔵」でもあれば、いいと思いますが。

あと、ブログの本文中にも書かれていますが、何でもかんでも「自分に原因がある」と考えるのも、確かに問題があるでしょうね。

実際の話、自分には何の落ち度もないのに、「不幸」としか言えない境遇にいる人も数えられないくらい、いますから。

ただ、仏教の場合には、その原因を「前世の因縁」のせいにしたりしますが。これはこれで、問題だと思います。

しかし、自分はそうは考えないんですよ。

仏教の考え方に「自他一如」というものがありますが、これは「自分と他人は表裏一体のものですよ」こういう意味で、分かりやすく言えば、「自分の幸福は他人の不幸」、「自分の成功は他人の失敗」こういうことです。

で、「自分は成功者で、幸福である」という人は、世界のどこかに「自分が成功と幸福を奪った相手がいる」。ことに思いをはせるべきでしょう。

逆に、「自分は不幸で失敗続きだ」こう嘆く人は、「自分の分の成功と幸福をお布施していて、自分は今陰徳を積んでいるのだ」と考えた方がいいと思います。

そして、宇宙の法則に「与えれば与えられ、奪えば奪われる」というものがあると思いますが、おそらく「他人から奪う成功と幸福」は長く続かないはずです。

逆に、「自分の分の幸福と成功を他人に与え続ける人」は、いつか、「自分が幸福と成功を大勢の他人から与えられ続ける人」になるでしょう。

縁起について

「縁起」というのは、あの「縁起が良い」の縁起です。

「原因と結果の法則」を仏教的に考えると、「種をまけば(原因)花が咲く(結果)」とは単純に考えません。

どういうことかというと、実際に種をまいて花が咲くためには「第三の要素」つまり、光合成をおこなうための光や炭酸ガス、また水などが必要だからです。

そして、その「第三の要素」を仏教では「縁」と呼んでいるわけで。

そういう意味で言うと、「原因と結果の法則」よりも仏教の「縁起」の方がより現実的だと思います。

あと、「引き寄せの法則」は結局「他人から奪うこと」を是認しているのではないでしょうかね?

上にも書きましたが、「自分が幸福になること」は「他人が不幸なること」とイコールなのですよ。

例えば、今の世界は極端にいえば10億人が豊かで快適な生活をしている裏側で、60億人が飢餓と貧困に苦しんでいます。

これって、10億人が残りの60億人から豊かさを「引き寄せて(奪って)」いるからですよね? それって、許されることのなのでしょうか?  自分には疑問に思えます。 

まあ、ほとんどの日本人は日本人であるというだけで、「10億人」のうちに入っているのですが。

こういう自己啓発書を読むのなら、やはり「7つの習慣」の方が、良いのかもしれません。

ただ、前述の「正法眼蔵(しょうほうげんぞう)」を合わせて読むと、7つの習慣で書いてあることが、より深く理解できるのではないかと思います。

最近では、ひろさちやさんの「新訳正法眼蔵」が出版されていて、これは仏教初学者にもわかりやすく書かれているので、興味があれば読んでみてください。

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